2012/08/25

2012/8/18-24

帰省のあとの一週間。帰省しているあいだ映画をみなかった反動で毎日でかけていたら金曜日にとうとうバテて半日寝込んだ。

伊藤雄之助「てんかいっぴ〜ん?」


今週の映画 (みた順)
▶『東京おにぎり娘』田中重雄(ラピュタ阿佐ヶ谷)
若尾文子と叶順子と中村鴈治郎・川口浩・川崎敬三・伊藤雄之助。大好きなひとがわんさか出てくる映画はみてるだけで楽しい。藤間紫がお経に乗せて会話するところとか、鴈治郎が子どものふりして「ねえちゃんいってきます」って言うところとか大好き。この映画の藤間紫のようなかんじ、いいなあ。余裕とユーモアのあるおとなの女。若尾ちゃんはちょっとがんばり過ぎるところがあるものね。叶順子にいっつも好きな人を持っていかれちゃうのはきっとそういうところだよね。で、これ、若尾文子がおにぎり屋を始める映画なのだけど、実際に若尾ちゃんがおにぎりをにぎる姿をみられるのは1シーンだけ(たぶん)。いっしょにみたえんちゃんにいたっては、その1シーンすら覚えていないらしい。おにぎり出番なし。

▶『悪の報酬』野口博志(神保町シアター)
伊藤雄之助主演のシリアスもの。だけどオーバーオールで現れるもんだから、笑ってしまう。事前に情報を得ていたのに。こんなにスペクタクルだとも思ってなくて、いろいろ驚いた。最後の、雄之助が愛人の日高澄子を連れてじぶんの店に入るシーン。振り返って日高澄子をみつめる顔がせつなかった。そしてそのあとの爆発。泣いていたら、刑事の「あきらめないぞ!」で終わって、少しがっかり。そのあとにみた『人間狩り』もそうだったけど、最後に正義を強調されるとひいてしまうんだよな......。あと不満は、仁木てるみの出番が少ないこと!もっとかわいいてるみをみせてほしかったよ。

▶『人間狩り』松尾昭典(神保町シアター)
のむさんおすすめの一作。長門裕之が苦手なので心配だったけど、この長門、すごくよかった。むしろだんだんかわいくみえてくるくらいだった。正義感が人一倍強い長門と、正義よりも大切なことがあると訴えて長門から離れて行く友達、恋人。みているひとたちは長門と反長門のどちらの気持ちでみているのかなあと、思いながらみていた。というのも、たぶんわたしは少数側なのだろうなと思ったから。

▶『待って居た男』マキノ正博(新文芸坐)
▶『昨日消えた男』マキノ正博(新文芸坐)
山田五十鈴の追悼上映。さいっこうに愛らしいベルさんの拗ねた顔。この二本、製作年が新しい方からみてしまったけど、始まってみたら続き物ではなかったのでよかった。『待って居た男』では山田五十鈴と長谷川一夫は夫婦で、『昨日消えた男』(こっちの方が古い)ではくっつく前の戯れをみることができる。長谷川一夫って、いいね。よくみりゃちょっと太めだし。小太り帳にメモ。ただしこの日は場内が寒かったからなのかプリントが古くてピントが安定しないからなのかやけに眠くて、ベルさんの顔がぼやけたことが何回かあり。一応起きてたつもりだけど、居眠りしてみ逃したところがなければいいな。

▶『日本女侠伝 激斗ひめゆり岬』小沢茂弘(ラピュタ阿佐ヶ谷)
待キョン目当てのYさんといっしょに。わたしは藤純子目当て。沖縄が舞台なので純子さん黒塗り。男言葉。待田京介が死ぬシーンで涙をぬぐっているところをYさんにみられており、上映後冷やかされる。純子さんの「仲間よ」の言葉がね、もう。。待田京介だけじゃなくて、任侠ものによくあるのがさ、自分が所属している団体(つまり組ね)のやり方に我慢ならなくて正義に命をかけようとする行動。「これじゃいけねえ、いけねえんだ!」っていうつらい気持ちが現れている顔。この映画ではその役割が待田京介で、その心境を思うと泣けてきてしまったのでした。Yさん、あの涙にはこんな理由があったんですよ。

▶『緋色の爪』ロイ・ウィリアム・ニール(シネマヴェーラ)
作品解説によると、シャーロック・ホームズものの最高傑作らしい。わたしは初ホームズ。シャーロック・ホームズって、あんまり好きじゃないなというのがまずひとつ。なんか、いけすかない。そんなシャーロック・ホームズより先に犯人がわかったので満足。感想が少ないのは面白くなかったわけではなく(どきどきして鳥肌立ったくらいだよ)、併映の『港々に女あり』が好き過ぎてそちらのことばかり思い起こしてしまうため。

▶『港々に女あり』ハワード・ホークス(シネマヴェーラ)
ルイーズ・ブルックスがみたくて楽しみにしていた映画。ところがかわいいルイーズと彼女のびっくりな衣装よりも輝く男の友情物語。別に誰か死ぬとか、人生がかかってるとか、たいそうな物語ではなくて、男と男の、さっきも書いたけど友情の物語。ただのね。だからいい。こんなにいい映画、プリントもなくてソフト化もされてないなんて。。なんでこういうことになるのだろう。まったくもって映画界というものがわからない。

いまみられる手段はyou tubeのみ?→ http://youtu.be/nv2dSKgc4Hw


ひさしぶりにたくさん書いたのでしばらく更新したくない!

2012/08/21

2012/8/20 誰かへ(?)

このブログの存在理由がわからなくなってきた今日このごろ。それでもここをのぞいてくださっている方(方々?)いかがお過ごしでしょうか。暦の上では秋ですが、東京はまだまだ暑いです。山形も暑かったけれど、都心では風通しが悪い上、コンクリートに照り返されてむしむしじりじり暑いのです。

(いま、ショートカットキーを使おうとして間違えました。仕事をやめてからパソコンに触れる時間がぐっと減り、文字を入力する際のブラインドタッチはまだできるもののショートカットキーはもう駄目です。使わない能力はどんどん失われていくのだなあと思います。)

日中道を歩いているとぼーっとしてまぶたがおりてくるのですが、夏ですので蝉が突然近くに現れたりすることがあります。ゆるんでいた神経が、蝉のせいで突如敏感になり肩に力が入ります。大変な迷惑。きょうひさしぶりに足がつったのは、蝉から逃げるためにふいに駆けたせいだと思います。サンダルだったので、うまく走れなかったし。

きょう新宿の地下道を歩いていて、身体がななめに傾きました。立ちくらみや目眩というものは血の気がひくような、くらりと傾くものですが、きょうの身体の傾きはそのようなものではなく、身体が何か引っ張られるような感覚のものでした。わたしはときたま、特に新宿でこのような状態になることがあります。相性が悪いのか、何かあるのか、わからないけれど(それとも地面が傾いてるのかな)。

一週間ほど帰省していましたが日曜日に東京に戻り、何事もなかったように同じ日々を過ごしています。 山形では二度花火大会をみに行きました。太ももまでだけれど町民プールに入ったし、スイカを食べたし、浴衣を着たりした。姪と甥を抱きしめたり叱ったりした。たのしくて、でも退屈でもあって、それは帰省する度に感じることで、だからいつものように過ぎ去った。次に帰省するのは正月になると思う。年々、帰省する回数が減っているような気がする。いままでが多過ぎたのかもしれないけれど。

浴衣は実家で母に着せてもらったのだけれど、帯が麻の袋帯で扱い辛い上、母の結んだことのない結び方をリクエストしたこともあって着付けが思ったよりもすんなりといかず、少し不満が残りました。やっぱりじぶんで着ることができないと駄目だ。

ひさしぶりに浴衣を着たことで、抑えていた着物に対しての欲望が開花してしまいました。浴衣を一着(と数えるのだろうか?)手に入れることで興味が薄らいでくれたらよいなと思っていたのですが、うまくいきませんね。これまではデパートの呉服売場をのぞいて頭をお花畑にしていましたが(特に銀座三越のセレクトがすごく好きです)、今後はそこから飛び出してじぶんの身体を舞台にしたお花畑がみたいものです。

着物というと思い出すのは幸田文の『きもの』なので、幸田文のまだ読んだことのない本を買って持ち歩いています。地元で探したけれど売っていなかったので、東京に帰ったらすぐ買いに行きました。本は新しく出版されたものほど良いというものではないので、どうか書店さんは、中身のない新刊を置くスペースがあるのなら替わりに名著を並べてください。

つらつらと永遠に書いてしまいそう 時間をかけて。
二夜連続で化粧を落とさないまま眠ってしまうと困るので、きょうはこのへんで。
またそのうち。